依頼。

父親から、お客の所で困っている、と。

物は、インターホン。メーカーは松下、と言っていたが、「品番は?」と聞いた。「VL-なんとか」とのこと。
松下通信工業、今の「パナソニックモバイルコミュニケーションズ」の製品だ。ちなみに「ナショナルのインターホン」というのは3つほどあり、「VL-」品番が松下通工、「HA-」品番が松下寿電子工業*1、「WQ」品番が松下電工だ。
しかし、これもあまりに紛らわしく、また、顧客に言わせれば「何で同じナショナルなのに違うの?」ということで、「おたっくす」と「パナファクス」、あるいは「クリーンシャワレ」と「ビューティ・トワレ」同様、統合の方向を向いているようで。


で、そのインターホンは、テレビドアホンらしい。20年くらい前の奴だとかで。モニター部の基盤が逝っちゃったらしいけど、部品、出ないようで。
じゃあ普通に最近のテレビドアホンに交換すれば良いじゃないか、とも言えるが、それが、そうはいかない。



平成6年のカタログから抜粋。現場の奴はおそらくこれよりも前の機種。

こういう奴なわけで。いわゆる「ホームセキュリティシステム」。セキュリティとは言っても、火災が発生したりしたら音が鳴るだけで、ペ・ヨンジュン長嶋茂雄の会社が来るわけでもない。

ちなみにこれ、なかなかゴージャスなシステムで、一般な家庭ではそれほど使われていない。あるとすれば、それなりな豪邸だったり、ブルジョワな家庭だったりする。マンションとかでは時々見かけるが。

当時はかなりお高かった品。ホームテレホンとセットで、システム一式、軽く40万くらいするのかな。
ホームテレホン、バブル期は結構普及していたけど、今、作ってる会社はない模様。

さらに、20年前のテレビドアホンというのは現在みたいに安くはなく、モニター、玄関子機合わせて20諭吉ほど。しかも、配線は現在のように無極性の2線式などという簡単な物ではなく、映像信号用の同軸ケーブル、音声2本、制御2本と、8線式とかだった。

今回の家、こんなのを付けてる時点で予想はつくけど、金持ちらしい。



松下に聞いてみても、回答は出なかった、と。それもそのはず。松下のカタログをめくってみたら、ぴったり置き換えられる機種が無いわけで。で、松下電工とかアイホンではこういうタイプのセキュリティシステムをやってた筈・・・と思って、調べてみた。この類のシステムは一応互換性もあるだろう、と。

驚いた。やっぱ、「セキュリティ」ならヨン様とかミスターの会社があるし、ホームテレホンとしてもコードレス、いや今となっては携帯電話だし、ということで売れないのか、電工もアイホンも廃盤。


多分、大手の業者にこの件を頼むと、「もう廃盤になっちゃってまして・・・全交換になります」ってことになって、現行品のセキュリティドアホンとコードレス電話機を買わされることになるのかな。

その辺、個人の電器屋の腕の見せ所だ。俺的に頭を捻って考えた。配線的に、現行の標準的な機種で大丈夫っぽい。ただ、寸法は内外共に合わないという。これをどうにかするかが肝心。父は「無理矢理でも付けるしかない」と言っているが。

*1:んっ、名前変わってる・・・「パナソニック四国エレクトロニクス」って何よ。