「幻」の家電。

特集するとなると、キリがないねぇ。「よくばりっ子2-SHOT*1」なんて、覚えてる人間、いるのか・・・?と。

今日ふと思い出した、こんな商品。
http://prodb.matsushita.co.jp/product/info.do?pg=04&hb=CK-WC1
http://www.e-connect.jp/osusume/toilet.html

時は2002年。当時、自分は中学校1年のガキでした。良くも悪くも、やんちゃな。
品番から察するに、「エアコン事業部」が手がけた商品。そりゃあ一応、れっきとした「エアコン」だし、コンプレッサーも入っているみたい。一時期、CMも見た記憶がある。そうか、楽園、だったのか。渋いなぁ。

ちなみに「楽園」は、72年頃〜88年頃に用いられていたナショナルのエアコンの商標。その前は「樹氷」だったんだが、「暖房なのに樹氷は寒いべ?」ってことで、暖房機能が付いたときに「楽園」になったんじゃなかったかな。流石松下。「白くまくん」とか「霧ヶ峰」で「暖房」と言われても説得力に欠けるわけで。


売り上げ的にはさっぱりだったようで。当然後継機も出てない。
実物を見たことはないけど、想像から察するに、トイレ内で結構存在感はありそうだし、狭い日本の家の、狭いトイレにこれはキビシい。そして何より、消費者的に「トイレの空気でエアコンって・・・」ということも、想像に容易い。価格的にも「試しに買ってみよう」と気軽に買えるレベルでもない。

洗浄便座みたいに、お客さんが気軽に買って帰ってらくらく設置、という印象でもないし・・・




そして、秘密の兄弟が。
http://www.asahieito.co.jp/item/sougounew/toiresetsubi/amigo/amigo.htm

何と、エアコンを「便器」に内蔵!したのである。上のサイトは、アサヒ衛陶の「アミーゴ」だが、ナショナル版の「マイドルフィン」もあった。便器部は、衛生陶器メーカーのアサヒ衛陶*2がこしらえて、洗浄便座、エアコン部を松下電器がプロデュースした、という、奇跡のコラボ。

しかし「ナショナル・マイドルフィン」は、松下電工の子会社化、「コラボV」に伴う商品ラインナップ再編に伴って、発売から2年後の2004年にカタログから落とされた。そりゃあ、同じ、電機メーカーの「ナショナル」2社から、ただでさえシェアも少なく、イメージもない商品が出ていても、この上なく無駄だしねぇ。
なのに何故か継続生産された?「アサヒ・アミーゴ」。在庫処分っぽいけど。今は本当に在庫処分中のようで。

ここ数年、住宅トイレの流行は「ネオレスト」や「サティス」のような、スマートでスタイリッシュなタンクレストイレ。に対して、マイドルフィンはあまりにもずんぐりとしたシルエットで、時代遅れなタンク式、節水性能も10年前のレベル、と、魅力に乏しい。しかも「アサヒ衛陶」と「松下電器」という、トイレのイメージは皆無で、設備屋があまり採用しそうにないメーカーでもあるわけで、その点も、「売れない度数」に拍車。


しかし、壊れそうだなぁ。

*1:後で特集してみよっと。

*2:確か、TOTOINAXに次いで便器3位のシェアだった記憶があるけど、TOTOが6割、INAXが3割、占めて9割を上位2社が持っているわけで、残り数社(ジャニス工業、松下電工他)が1割を取り合っている状況。