顧客思いとは思えない。

店のトイレとかで、見かける。節水、の目的で、ロータンクの止水栓を絞ってある所。あるいは、節水器のようなものを取り付けた結果洗浄不良が生じて、2回流さないと完全に流れない所。


これ、普通に俺としては、客に対する嫌がらせ、としか感じられない。だいたい、ロータンクに溜まる水量は止水栓の開閉具合ではなく、ボールタップの調整で決まるわけで、絞ったところで、溜まるのが遅くなるだけ。
例えて言えば、浴槽。水を張るとして、蛇口を絞り気味にすると、一定の水位まで達するのには時間が掛かる。逆に多めに開けた場合、同じ水位でも早く済む。つまり水量には依存しないと。


節水して、そのぶん価格を下げて顧客に還元、という思想もあるのかも知れないが、それどころでなく、ただたんに溜まるのが遅くなり、短時間の連続使用時、排水不良による配管詰まり、洗浄不良による悪臭の発生、便器の汚れなどの問題が生じて、結果、節水どころの話じゃあなくなる。


節水器の場合も同様。TOTOINAX等の便器メーカーが推奨しているものではないので、当然、故障した場合もメーカーの品質保証は受けられず、修理費が請求されるほか、洗浄不良、排水不良による配管のトラブルや悪臭の原因になるわけで。
サイホン式、サイホンゼット式の便器の場合、サイホン現象が生じず、うまく流れないこともある。結果、たとえ標準で13Lの便器(C720等)で、節水器の効果で1回8リットルになったとしても、洗浄不良が出ると2回流す必要が出て、16リットル流してしまうことになったりする。


馬鹿、としか。



洗浄水量は、綿密な設計の元で定められているわけで、そこを弄ったところで、本来の性能は発揮されない。そりゃあ確かに、あんなに飲み水をがぶ飲みする便器を見ていると、節水したくなる気持ちもわかるけど。