マイナーパソコンはこりごりです。

件名は、私の経験です。
まず、FMTOWNS。
ビジネスソフトがあんまりに少ないです。使えるフリーウェアも超少数。
ビジネス用にはFMRがあり、それに一太郎や1-2-3、FM-OASYSがあるのですが・・・
当時はPC-98全盛期だったので流通量は少ないです。
次に、PS/55note。
第2世代くらいのDOS/Vマシンです。
DOS/Vというのは現在はほとんどアーキテクチャの一種と思われていますが、
これは米国仕様のIBM DOS(要するにMS-DOSです)に、日本語機能を拡張して、
ソフトウェア的に漢字や日本語フォントを搭載し、画面に表示したり
印刷しているというシステムです。

当時のPC-98やFM、AX系のマシンはハードウェアに漢字をROMに持っていて、
それを使用して漢字表示を行っていました。
特にPC-98はそれによって処理が速い、BIOSまで日本語表示できる、
などということを謳っていました。

DOS/Vの利点は、本来米国向けに英語のみに作られたIBM PC/AT互換機にインストールするだけで、日本語の動くマシンになる、ということです。
しかし欠点としては、メモリに日本語領域を持っているためメモリを消費する、漢字辞書や
フォントをディスクに内蔵しているため処理が遅い、などが挙げられます。
また、それによってDOS/Vはかなり「重い」ため、当時大変高価だった
ハードディスクは必須でした。
一応FDDのみで使うこともできますが、こうするとひらがな、カタカナ、英数記号しか使えません。

しかし、DOS/Vのおかげで海外から安いAT互換機が大量に海を渡ってきて、
パソコンの価格破壊がおこります。これが、いわゆる「コンパック・ショック」です。

元々ハードウェア的な設計の影響や、ブランドイメージで高価だった
(ただし、その分品質やサポート体制、ソフトウェア資産も満足のいくものでした)
PC-98は、シェアの低下を恐れました。
それによって登場したのが、平成5年発売の「98MATE」と「98FELLOW」です。
98MATEはそれまでの高級、高性能路線を継承しながら、98FELLOWはFM音源の廃止や
DOSに特化した設計、筐体の大幅なコストダウンで、大胆なまでの低価格化を実現し、
PC-9800シリーズ唯一の10万円未満という価格を実現していました。
が、PC-98は「フェローショック」がおこってしまい、それまでの中古価格が一気に値崩れし、
中古販売店が潰れたりしたこともあったそうです。

元々シェアの低下に頭を抱えていた富士通は、平成5年に早々とFMTOWNSとFMRに見切りをつけ、廉価なAT互換機の「FMV」に転換します。
時を同じくして、日立や東芝も独自規格からOADG規格のAT互換機にシフトしたはずです。
元々東芝のJ-3100はAT互換機ベースの独自規格だったので、乗り換えも妥当だったのではないでしょうか。
OADG規格というのは、IBMなどがDOS/V普及のために設けた規格です。

しかしPC-98は最後まで独自路線にこだわり続け、Windows95にもなるとPC-98の利点
「ハードウェアによる漢字機能」はかえって不利(コストがかかるだけ)になってしまい、
とっととAT互換機に乗り換えた他社に価格面で大幅に負けてしまい、何と最大のライバル、
富士通のFMVは大成功を納め、販売台数で抜かれしまいました。

完全にPC-9800帝国は崩壊してしまい、かつての面影は消え失せました。
結局NECも平成9年にAT互換機といえる「PC98-NX」シリーズに移行します。
PC98-NXは、PC-98のハイフォンの位置が違うのではなく、マイクロソフト
Windows98の発売に合わせて設けた「PC98規格」に従っているという意味です。
PC-9800シリーズは、旧いソフトウェア資産の継承用として、細々と生き残っていましたが、
今年8月、遂に最後のモデル「PC-9821Ra43」が消滅しました。
激動の22年間。PC-98は、国内の独自規格のマシンでは最長寿でした。

PC-98互換機で安くて高性能が売りだったEPSON
こちらも、AT互換機の普及による打撃を受けたようですが、安いことが武器である程度の支持があり、通な人たちには人気でした。
しかし、ある意味NECにとって最大のライバルであり、最大のパートナーであったEPSONも、
平成7年には販売不振のためAT互換機に移行してしまい、
子会社エプソンダイレクトの「Endeavor」と、EPSONブランドのAT互換機のふたつで
9年間売ってきました。そして今年10月、ブランドを「Endeavor」と「EDiCube」に統合したそうです。

ちなみにEPSONですが、今のカタログに中嶋悟というレーサーの名前が出ていますが、
この人、PC-286BOOKのテレビCMに出てましたが・・・15年も?
同時期に、東芝ダイナブック鈴木亜久里が有名で、成功していたので
それに便乗したものど思われます。
これまた余談ですが鈴木亜久里は日産ラングレーのCMにも出てました。

ずいぶんと話題がそれて、パソコンの歴史になっちゃいましたが、
PS/55noteは、PC-98全盛期のAT互換機なのでソフトがあんまりないです。
FMTOWNSと比べると多いと言えば多いのですが、98ほどはありません。
何度か、98用のプログラムを動かしてみてフリーズさせた記憶が・・・

が、キー配列がや各種インターフェイスが今のAT互換機と共通なので、
最新機種と比べても違和感があまりなく、ケーブルも共用できるので便利。
全体的に概ね良好で、素晴らしいキータッチと、堅牢な設計の筐体、
そして親切なサポートセンターの応対など、非常に使いやすいパソコンでした。

しかし、現在はFDDドライブの不調もあり、気に入っているのですが冬眠中です。


先日書いたファーバーカステルpronto、かなり使いやすいです。
国産の100円シャープはペン先のガタがあったり、安っぽいラバーがついていて嫌ですが、
これはそれがなく、「ヨーロッパ合理精神の塊」という感覚です。
書き心地の安定感は、100円クラスの比ではなく、1,000円クラスと比べても遜色ありません。
100円シャープはそういうところが劣るところがありますが、
これならメインに使っても不自由ありません。
事実、私もメインにしばらく投入してみるつもりです。

MONO LIGHTも、国産の美点であるソフトさを活かせばなかなか。
通常のMONOは柔らかすぎてちぎれそうな不安感があり嫌いですが、これなら大丈夫。
「MONOは好きだけどちぎれるから・・・」そういう方にうってつけ。

それでは良い夜を。