正常進化、という言葉は、この車のためにあるのかも知れない。

今日発表、新カローラ。10代目、ということで、カローラとしては記念すべきモデルになる。ひとまず「カローラランクス」と「アレックス」は廃止され、サブネームが付いたセダン「カローラアクシオ」と、名を受け継いだ「カローラフィールダー」。

暫くすると「オーリス」が出るのかな。




そもそも個人的意見を言わせてもらうと、カローラの場合、もうある意味「ゴール」に来ちゃってて、モデルチェンジする必要ないんじゃねぇか?、とすら感じていたんだが。今回のカローラの場合、見た目、的には、新しさ、を提案するニュアンスは全く感じられない。

先代末期のマイチェンでヘッドランプを薄くしたが、やはり、次期モデルへのアプローチだったようで。


車のデザインはほぼ20年周期で変わっており、60年代初頭と80年代初頭には大きな変化が訪れた。そして、2000年頃にも大きな変化。その時期に作られたのが、先代、9代目カローラ
カローラであれば8代目と9代目の比較で判ると思うんだが、圧倒的にウエストラインが高くなり、車高も取った「もっこり」スタイルになった。同時期の国産車も、殆どがこの例に当てはまる。
だから、9代目カローラが出たときは衝撃も大きく、すごく斬新に見えた。でも、今となっては目に馴染んだせいか、新鮮味は薄い。


とは言いつつ、保守志向のユーザーや、今までカローラを乗り継いできたユーザー、そして、刺々しく目立つ車や、華美な車が嫌い、という顧客には、このデザインは大変受け入れやすいと思われ、なかなか好評を博すのではないだろうか。
個人的にも、悪くないとは思う。「アクシオ」の場合、プレミオに近い雰囲気があって程よい質感があるし、フィールダーでも、先代に感じられた「もっさり」した雰囲気と「ライトバン」っぽさが少し薄れ、品のあるスタイリングになったような気がする。少し、某「遺言」車っぽいのは、盗用多、だから、仕方がない。
とは言え、こう感じられる最大の原因は、日産における競合車の「ティーダラティオ」と「ウイングロード」のスタイリングが悪すぎるせいでもあるんじゃないかな。明らかに、今度のアクシオとフィールダーのほうが格好良いよ。ティーダラティオとなると、まるで「シャレードソシアル」の再来みたいだし、ウイングロードだって、あれじゃあ「出来損ないのミニバン」だ。特に尻が悪い。



カローラに話を戻して、内装は先代比で大幅にシンプルになったが、個人的には、アルファードやクラウンに見られる、これ見よがしな木目調プラスチックパネルの装飾などはあまり好きでなく、今度のカローラ、大変趣味が良くなった。大歓迎だ。
どう考えても木で作れないような部品を木目調にした所で・・・とは思っていたが。
シンプルなカローラ、ということで、バブル崩壊の煽りを受けて歴代一の安っぽさを身につけてしまった先々代、E110系を思い出したが、さすがにトヨタは学習、も巧いようで、あのときの教訓はしっかり生きている。



メカ的には、1.8が新エンジンを身につけ、全車、AT廃止でCVT化。カローラCVTになった、ということは、すなわち、これからはCVTの時代、ということだろう。また、おそらくクラス初のテレスコピック機構付ステアリングも目新しい。また個人的に、フィールダー全車に装備された「ワンタッチ格納リヤシート」は大歓迎だ。ワゴンの場合、シートの格納って意外と面倒で、使ってないユーザーも多いよね。これなら、家具を買って車に持ってきて積んでみようと思ったら入らない、しかも辺りは雨、なんてときにも重宝すること間違いなし。


今度のカローラ、意外と見た目よりも中身、なのかも知れない。1.5は従来同様の1NZエンジンで、熟成、路線なんだろうけど。
トヨタの場合、キャリーオーバー、の繰り返しで、見た目こそ新しくても20年以上前のエンジンが載ってたり*1、みたいな車種が以前から多かったんだが、最近、ちょっとこの方向から外れてきたような気がする。


もちろん5MTは残っており「ノークラなんか乗れん!」という頑固親父にもしっかり対応。これは素晴らしい一面。日産も見習えよと。ひとまず、「車選びに迷ったらぜひカローラを」と、言える車だと思う。万人80点主義、の典型。良い意味で。


自分的に「カローラフィールダー 1.5X(5MT)」という組み合わせともなると、道具、としての車、では、究極の理想形態だと思うが。十分な信頼性、燃費、サイズ、実用性、の面で。日本で乗りやすいサイズでもあるし、冠婚葬祭のフォーマルな場面でも、週末のヴァカンスのシーンでも大丈夫。趣味にだって仕事にだって使えるし。でもやっぱり親父臭いし、「趣味性」が全くない、というのが欠点か。でも、生活をさり気なく支えてくれる車、こそ、良い車、の姿だと思うが。

由来って?

アクシオ
http://www.toyota.co.jp/jp/news/06/Oct/nt06_050.html
ギリシャ語で「価値のあるもの・品質」の意味の“AXIA゛からの造語



って、本当にカセットテープと同じだったとはねぇ。最近専らMP3でカセットテープもMDも売れなくなっただろうし、ビデオテープも正直、DVDに押されてる。で、DVD、というと、やっぱりTDKとマクセル、のイメージが強いし。個人的にも、媒体関係はやっぱりTDKかマクセル、と考えている。富士フイルムの記録メディア、となると、やっぱり後発で技術、品質がちょっと劣るかな、というイメージが拭えない。


で、久しぶりにその会社のWebサイトを覗いてみたんだが。
http://axia.jp/


カセットテープの「PS」シリーズって無くなったのか。ADもUDも消えたし、それらの末裔たるシリーズも全滅。もうカセットテープは終わりだな。って、俺自体、カセットテープはここ半年、確か1本しか開封してないし。終わり、だな。

*1:例としてマークII。昭和55年〜平成16年まで主力エンジンだった1Gエンジン。