滅び行くもの。

ツーカー。今日で、新規受付は終了。後は、少しずつユーザーをauに乗り換えさせて、最終的に「ツーカー」は廃止にする方針だと思うが。

思えば、ツーカーってちょっと特殊な携帯電話キャリアだったと思う。自分自身、最初は「ezweb」だからau系、だと思いこんでいたが、そのくせ、電波はボーダフォンと同じ周波数で、基地局を共用していたり。

元々、日産自動車の携帯電話部門だった。トヨタIDOをやり始めて、販売会社で携帯電話を取り扱おうとしていたから、便乗してやろうとした結果。日本テレコムと共同だったっけか。あ、日本テレコム繋がりでボーダフォン基地局を共用していたのか。



先見の明はあったと思う。携帯電話による音楽視聴が定着する前に「funstyle」を提案したり、シンプルケータイの先駆けとなった「ツーカーS」を発売したりと。日本初のプリペイド携帯電話「プリティ」もツーカーの製品だったか。




ただ、「古い」と「シンプル」を取り違えていたというか、そういう点もあったと思う。1年ほど前に機種変を検討して、各社のカタログを収集したことがあったが、ツーカーのカタログを見て驚いたことを覚えている。「何でこんな旧機種ばっかり売ってるんだ・・・?」と。確かに「シンプル」ではある。でも、ただ「古い」だけなんじゃないか、とも思った。

ドコモ、しかも松下、ということで、真似好き同士の間で生まれた「prosolid」という携帯電話がある。この機種は確かにシンプルであり、デザインも洗練されている。だが、「古さ」は一切感じさせない秀逸さも兼ね備えていた。



ツーカーの場合、新機種を開発、販売してもそれを販売する力もなく、また、端末メーカーに「新機種を作ってくれ」と頼んでも、各社共にau、ドコモに力を入れており、売れないツーカー向けの端末はなかなか作ってくれない、というのが実情だったのかも知れないが。ついでに、新サービスを開始するための設備投資、宣伝等を行う余力もなかったのかも知れない。

で、重い腰を上げて京セラや東芝が作った端末は、auの旧機種の焼き直しという代物。一時期は骨伝導ケータイやツーカーS等で注目を浴びたが、カンフル剤にはならず。



結果、ツーカーは「古い」「ダサい」「安っぽい」というイメージになり、ボーダフォン共々、携帯電話界の「負け組」となってしまった。






そういえば、今から9年ほど前か。うちの親父もツーカー使ってた時期があったわけで。「PHSに比べると電波がいい」とは言っていたが、当時、ドコモ、アステルツーカーと3台もの携帯電話を持っていたわけで、利用頻度は少なく、最終的に、アステルツーカーも止めて、ドコモに一本化。で、今に至る。
今年10月にMNPが始まったら、親父、auにする気みたい。

一応、おすすめ端末、はA5518SAもしくはA5517T、ということにしておこう。1Xのほうが無料通話も多いし。今後、1X端末は通話中心のユーザーや中高年、法人向けに特化したラインアップになると想像できる。カメラ無しバージョンも追加されたA5518SAは、結構なロングライフ製品になるんじゃないかと。





A5511Tは最後のハイスペック系1X端末になったか。着うたフルとかLISMOとかがない以外はWIN並だし。