マツダのコスモ

と聞いて、どういう車が出てくるか。

殆どの方は、おそらく「コスモスポーツ」だろう。ちょっとした車好きなら「ユーノスコスモ」もあるし、旧車好きな方なら、「コスモAP(コスモL)」が出てくるかも知れないが。

でも、「58年式のコスモ」と言われて、出てくる方は少ないと思う。

多分、歴代コスモで最もマイナー且つ、地味だったHB型。売れたか、というと、それほどでもない。販売期間は異様に長く、昭和56年〜平成2年まで。もっとも、末期(昭和62年以降)はレシプロエンジンのお買い得仕様車「ジェンティール」の4ドアが中心の販売だったが。

そう、歴代「コスモ」で唯一4ドアが設定されていたのが、このHB型。何故かと言うと、ルーチェと兄弟車になったため。だから、ルーチェにあったディーゼルも選べた。
ディーゼルの2ドアクーペって、このコスモと117クーペくらいかな。ピアッツァに設定があったかは微妙な記憶。


だがそこはマツダ。バカなことに、同じ販売店で、同一ラインアップ、そして、エクステリア的にもエンブレム程度しか差異のない兄弟車を売るとは。せめて、4ドアをルーチェ、2ドアをコスモに統一するとか、方法はあったと思うんだが。
ついでに、デザインも何とも言えないもので・・・
斬新なんだけど、どこか的が外れてる感じ。これほど高級感のないデザインの高級車、珍しい。25年後の今になって見てみると「可愛い」んだが、当時はやっぱり受けなかった。インテリアも、サテライトスイッチで斬新なんだけど、高級感なし。そんで、マイチェンで大改修。
このマイチェン後は、比較的マトモ、というか、地味すぎて印象に残らないデザイン。マークIIとも、ローレルとも被るような気が。少し高級感は出たが。


で、コスモは平成2年まで売っていたが、兄弟車ルーチェは昭和61年にモデルチェンジして、クラウン級のビッグセダンに進化。
これを踏まえると、昭和61年〜平成2年の販売期間は、マツダ内における「マークII」クラスにコスモを残して置いたのかも知れないが。
それにしても、時代遅れの4気筒エンジンに、あのインテリアは競争力に乏しすぎると思うが。キャブ車なんか、あのクラスで3ATだし。
普通に売れなかった。


俺的には、この地味〜なHB型コスモがちょっと好きだったりする。昭和60年式くらいの2ドアがいいな。リトラの奴。一番デザインが完成されているような気がする。