K町商工会館 篇

玄関に「定礎 昭和四十五年三月」とあった。実際、建造物のデザインが70年代的。玄関を入ると、そこは「昭和」という名の時間で止まった空間だった。いかにも、な雰囲気の応接セットとか。


電機器具的にも、見たこともないようなデザインの誘導灯(Toshiba製)や、妙に大きな富士形ベースライト。配線器具は全てハイ角だったかな。館内放送のスピーカーはナショナル。音量調整器に付いていた「NATIONAL」ロゴが素敵。


これだけでも十分、昭和の香り。昭和45年3月、と聞いた時点で「初期のTOTOかinaだな。」と勘付いた。この地域のこの時期の建造物だと、inaが多用されているため、inaが有力に感じた。


実際、その読みは微妙に当たった、が、外れた。


末期のToyotokiと、初期のTOTOが混在していたとは。TOTOのロゴが採用されたのは昭和44年9月だった筈だから、過渡期だ。

2階便所は、Toyotoki印のU37(TOTOマーク入りのFV)と、初期TOTO印のC375(FV)。洗面器は品番不明だが、横に石鹸置きが付いた物。丁度、これと同じ奴。水洗金具には、Toyotokiの刻印があった。


1階便所も基本的に同じ内容。ただ、C375の洗浄装置がロータンクになっており、このロータンクは最近のもの。
こちらの洗面器は、初期TOTOもしくは末期ToyotokiのL230D。なぜこう書いているかというと、下にロゴがあり、それを確認できなかったため。横にロゴはなかったので、現行TOTOでないのは確かな事実。


以上。