懐かしいねぇ。

物置に入ったら、ペキペキなデザインでシルバー色の、80年代っぽい機械が置いてあった。上には覗き窓。
「MACLORD GT4」。ナショナル時代のビデオ。預かり修理品だと思う。
14型テレビの幅に合わせたみたいで、サイズは小さい。「簡単充実10万円ビデオ」こと、マックロードYOU。機種名はNV-U11。当時の最廉価モデルじゃないかな。最上位はNV-1000HD(ビデオマスター)だった筈。

中身的には、Gメカの原型、というか前身になったメカが載ってる筈。「カチャッ、カチャン、クウォーン」という、独特な動作音。特にモード切替時のカチャカチャという音が大きい。
これは初期のマックロードから、Gメカ/新快速メカ搭載機まで同じで、BX10も、前使っていたF400もこの音。

松下は偉いぞ。

操作ボタンを見てみると、昭和61年のNV-U11、平成元年のNV-F400/F500、平成4年のNV-BX10、さらに最新機種まで、予約録画の操作方法が共通化されている。これなら、旧型から買い換えた顧客が迷うことはまずない。安心だね。
ラジカセも同じように、DT9からED57まで、CDのプログラム再生やタイマー設定の操作は、基本的に同じ。だから、迷うことなく使える。自分もDT707,DT701*1、ED50と使ってるけど、こういうことをしてくれると、実に使いやすい。

松下はこういう所が上手い。ソニーとか東芝なんか、モデルチェンジの度に操作方法が変わったりしているのに。実にユーザー思いだ。

正体

このビデオ、やっぱり預かり修理品で、父曰く「ヘッドを交換したい」と。19年前のメーカー部品が出るはずがないから、「藤商の互換ヘッド」を勧めてみた。あと、同期のモノラル機からヘッドを移植するか。
今回直したら、とりあえずアナログ放送が終わるまでは楽に使えると思う。この時代の松下のビデオは、とにかく頑丈。
FS/BS/BX/SX系になるとHICという「持病」があるし、平成元年〜2年くらいの機種は電源のケミコンが噴く。だけど「ナショナル」時代のやつは、こういうことが全然ない。恐ろしいほど壊れない。

例えばこれ。本来松下は「15年もしたら、もう使ってる人はいないだろう。」と考えて作ったのに、2001年以降も使っている人がたくさんいて、問い合わせが殺到。だから、こういうページを公開してる。
遅いけどとにかくタフな、旧世代のGメカ*2。国内の工場で、高品質の部品を結集して丁寧に作っていたので、高い分作りはずっと良い。また、万一壊れても「ナショナルショップの主人」が自分で簡単に直せるよう、整備性もしっかり考えてあった。
今じゃクソニーさんが採用しているソニータイマーの真似事をしているマネシタさんも、この頃は最高だった。
うちのBX10はだいぶ弱くなってからの機種だけど、まだまだ真面目だった時代の作品。持病を対策すれば、十分使える。

*1:この機種はメニューコマンド操作で、ちょっとした例外。不評だったのか、後に従来の操作に戻った。

*2:新世代のGメカはギア欠け、位相ズレの持病あり。新Gメカを高速化した「新快速メカ」はさらに起こりやすい。